nokatachi

2020/05/23 08:46



「松」を読んでみた。

きっかけは「赤松花粉」を採取したことである。


読み進めていくと、以下のようなことが書いてある。

・日本に最も多い松は、赤松、黒松の類いであるが、この二種類は日本特産である。

・松で祭りといえば、今年の正月に私も参加した「羽黒山松例祭」がある。つつがむしを、かたどった二本の大松明をつくり、焼き払う行事である。

・民俗学からみてみても、松は上代民族が最も敬崇した神木の類いで、農具の材料はもちろん年中行事や神祭の依代の材料でもあった。

・松葉を噛んでみると、甘い松葉と渋い松葉があるそうな、青々とした太松葉は渋く、細い松葉は噛むと甘い。

・松葉を燻して貧乏神をいびり出すという風習や、松葉焼きという調理方法や、茶は松ぼっくりで煎じたのが美味しいともある。

・明治10年頃には、ごく一部ではあるが松の花粉を蜂蜜で練ったものを薬として食べていたともある。


松と人間の文化史という大きなテーマの中で、「日本人が今日まで何千年の伝承のいたるところで、松と向かい合って来たのは、松が神霊を宿なす神聖な木であり、樹木信仰の対象とされてきたからである。」とある。ここで僕がまだ分からないのは信仰の対象にして来たモノを「食べる」という行為である。それにどのような意味があったのか、今後探っていこうと思う。


文献:高嶋雄三郎【松】法政大学出版局 1975