nokatachi

2022/01/05 16:06




アスパラガス(竜髭菜)とは、被子植物の中の単子葉植物に属する多年生草本植物である。クロンキスト体系ではユリ科に含めているが、分子系統学によるAPG植物分類体系ではキジカクシ科に属している。雌雄異株である。

葉のように見えるものは実際は極端にほそく細かく分枝した茎であり、本来の葉は鱗片状に退化している。

名の由来は、原産地のギリシアの古名でアスパラゴス(甚だしく裂けるの意)とよばれ、植物学上の枝で葉のように見える部分が細かく裂けているようにみえることから名付けられている。アスパラガスという和名はキジカクシ属植物の複数種の総称で、中でも最もよくこの名で呼ばれるのは、栽培作物のアスパラガスである。和名はオランダキジカクシ 阿蘭陀(和蘭)雉隠といい、成長すると細かく切れた葉に見える枝がキジが隠れることができるほど生い茂ることに由来する。別名ではオランダウド(阿蘭陀(和蘭)独活)、マツバウド(松葉独活)ともいう。漢名を石刁柏(せきちょうはく)という。

江戸時代にオランダ船から鑑賞用として日本にもたらされたが、食用として導入されたのは明治のことである。本格的な栽培が始まったのは大正からで、欧米への輸出用缶詰に使うホワイトアスパラガスが始まりであった。その後国内でも消費されるようになり、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが主流となった。原産は地中海東部。イギリスを含むヨーロッパの原産ともいわれ、日本では明治時代初期から栽培されている。

日本・中国・朝鮮には自生種のキジカクシ、クサスギカズラなどが分布する。キジカクシの茎は食用になり、クサスギカズラの根茎(天門冬)は薬用になる。

ヨーロッパで広く食用となっている「ワイルド・アスパラガス」はユリ科のオルニソガラム・ピレネーカムの花芽であり、オオアマナ属(オーニソガラム)に属する。日本では「アスパラソバージュ」の名で知られる。


ドイツ語圏ではアスパラガスをSpargel(シュパーゲル)と呼び、日本での筍のように、春から初夏にかけての味覚として珍重されている。ドイツ国内産の収穫時期は、始まりはその年の天候によって変動し、おおむね4月頃であるのに対して、終わりは毎年一律に6月24日(聖ヨハネの日)までとなっている。外国産についてはこのルールに制約されないため、国内産シーズンの前後にも入手できる。


アスパラガスの学名は、Asparagus officinalis L.です。

Asparagusという名称の語源は、ギリシャ語の“非常に分枝する”という意味で、この属の植物の茎葉がよく分布することを言い表しています。

そして、officinalisは、“薬用になる”というラテン語からきたもので、この植物が栄養に富み、古い時代に薬用として使われていたことがわかります。

原種は、南ヨーロッパからロシア南部にかけて、海岸や河岸などに多く自生していました。食用としての栽培の起源ははっきりとはしていませんが、BC8世紀以前とされています。


薬用

薬効としては根や茎に利尿作用がある。フランスの薬草療法家モーリス・メッセゲは、「この植物の主要な効能は利尿作用である」と述べ、尿道炎を起こしている人を除く腎臓機能の低下、膀胱・肝臓・心臓の病気、痛風にかかっている人に対して、特におすすめする旨を自身の著書に記している。このときの用い方は、1リットルの湯に、根茎を半握りからひと握り分ほど入れて、しばらくの間、煮出してから1日にティーカップ2杯飲むとしている。 ヨーロッパでは、アスパラギンやマンナン、コリン、アルギニンが含まれるとされ、肝臓、心臓の疾患に薬用されている。


中国では、塊根にアスパラギンやステロイド系サポニン、クマリン、カロテン、精油などを含んでいるとされ、サポニンは一般に去痰作用、溶血作用が知られており、去痰薬や強心薬などに使われている。 2 - 3月ごろに塊根を掘り上げて水洗いしてそのまま日干しにするか、熱湯に通してから日干ししたものを、石刁柏(せきちょうはく)と呼んで薬用にしている。咳がある風邪のときや、小児の回虫などの寄生虫による栄養不足に、石刁柏を1日量3 - 9グラムほど煎じて服用する。日本では、アスパラガスを薬用にしていない。


クサスギカズラ( ユリ科・APG植物分類体系ではキジカクシ科 )

本州から九州,沖縄,台湾,中国南部に分布し,海岸付近などに生育する雌雄異株の多年草です。以前はユリ科に属していましたが,最近はキジカクシ科に分類されています。短い根茎に生ずる根は紡錘状に肥大し,栄養分や水分の貯蔵器官となっています。茎は立ち上がって芽生え,その後,湾曲しながら他の植物などに絡みつき,ややつる状に1~2m伸長しますが,時には数mに達することもあります。温かい地方に分布しているにもかかわらず比較的耐寒性があり,高冷地などに設置されている薬用植物園の標本園でも容易に栽培することができます。葉は退化して鱗片状になって各節より生じ,砂地などの乾燥した生育環境にも適応しています。

和名の語源は葉(実際は葉状枝)を杉に見立て,茎がつる状に伸長する草本植物ということから名づけられました。そのため漢字では,「草杉蔓」と表記します。

薬用には紡錘状に肥大した根を用い,通常,流通している生薬は外側のコルク層を取り除き蒸してあります。生薬名をテンモンドウ(天門冬)といい,鎮咳,去痰,滋養強壮,口の渇きを改善する滋陰降火湯や清肺湯などの漢方処方に配剤されています。砂糖漬とする。

本植物の仲間には野菜のアスパラガスがありますが,根は紡錘状に肥大することはなく,また果実は秋に紅熟します。

原産地は南ヨーロッパから西アジアで,ローマ時代ころより柔らかい芽生えを食用としてきました。

髄は維管束植物に見られる構成要素である。植物によっては硬質な髄を持つものもあるが、殆どの植物では軟質である。