nokatachi

2022/10/11 17:59



今回のコース料理には漬物を応用した調味料を使います。

画像のは「マッシュルームの塩漬け」です。塩とマッシュルームのみで漬けてマッシュルームから出てきた出汁を調味料として使用します。

塩漬け自体は縄文時代からあると思いますが、この「漬ける」という行為が文献に登場したのは室町時代ごろからのようです。

以下、日本人が漬物をどのように楽しんできたのか文献から抜粋した文章を記載します。

共食の中で「香」を楽しむとは、室町時代の優美な遊びと同じなようです。

楽しい会になるよう努めさせて頂きます。


10/9の食事会では、nokatachiのバーニャカウダの営業で出向いて入手したシードルや濁酒をソースに使用します。人が人である以前は動物的に美味しいと嗜好していた発酵食。それは自身の体内の消化を助ける一役になっていました。意識的に感じる美味しいとは別に、体内の微生物が気持ち良く分解できるよう主菜と副菜の関係を考えながら調理します。


10月は涼しくなり過ごしやすい時期になりました。9月にはアスパラガスの収穫も終わり、次は赤ニンニクの作付けが始まります。今回、料理は5品を予定しております。

《燻/いぶりがっこ》《菜/自然薯》《魚/しょっつる》《肉/猪肉ロース》《汁/ポルチーニ茸》

近くの山では黒文字やポルチーニを採集して、友人の自然農法の農家さんから自然薯を分けて貰いました。


NOKATACHIの流れを少しお話しさせていただくと、2016年から町の片隅で築80年の小屋で食堂屋をして、大江町のATERAという施設に移転後、お店を閉めて山をフィールドに料理をしています。直近だと芳賀さんと県外のchusというお店で50人規模のイベントで料理を作ったり、上記の農家さんの畑で小笠原さんと畑でご飯を楽しむ会を開いたりしています。

現在は食べることに、レストランのような形態を問わないカタチをとっています。

面白がって頂ければ幸いです。




メインのソースに「黒文字のバーニャカウダ」を使用しました。とてもご好評をいただきました。
農家をしながら、そこで採れた野菜を保存調味料にして他県に卸しながら交流していく。その中で新たに食材や調味料の発見があり、それを季節ごとに山形県の山や畑の食材に合わせてカタチ作っていく。そのサイクルが出来上がり、楽しさをご来場くださいましたお客様と共有できた時間でした。
ありがとうございました。

...とは言え、反省点を上げればキリが無いのですが、もう少しお客様に説明できる時間を確保したい。いつも反省しているので今回はメニュー表に言いたいことは書いたが、それでも帰り際に来ていただいた感謝しか伝えられず仕舞でした。
それにもっと料理の表現の幅を広げたい。
それに作っていて気がついたのは、海外の国の調味料を使えばその国っぽくなるが、自家調味料だから外来の食材を加えても「和」になるので、改めて郷土料理の文献群を読み返したい。


燻・始まりのお皿なので今年収穫された秋の新米の香りと秋田の燻製された大根の香りに、ワインに合わせる秋ナスとチーズ

最上町の実家の新米/玄米リゾット(もだし)×秋田県のいぶりがっこ×最上町の秋ナス×ヨーグルト・カッテージチーズ×チーズ


菜・NOKATACHIのOPEN当初からお世話になっている自然農法家の細谷さんの秋の畑の味わい

西川町の細谷さんのさつまいもの畝に生えた黒豆×里芋ピュレ×鶏のブロード×細谷さんの自然薯×蓮根×里芋の皮のフリット×むかご


魚・自家製の保存調味料と秋田県の郷土調味料のしょっつるを旬な鯛で楽しむ

酒田湾の天然鯛×自家製2年もの柿酢バターとマッシュルーム醤×西川町で採集したカラハナソウのピュレ×自家製梅酢・青森県のシードルのソース・レモン・細谷さんのミニトマト×しょっつる・パクチー   


肉・山の動物とそれが食べていたであろう食材を丸ごと食べ尽くす

県外の山の猪肉ロース×玉ねぎグリル・細谷さんの栗・7年越しの固定種人参ロースト×近くの山で採集した黒文字のバーニャ×自家製山葡萄酢とバルサミコ酢ソース×細谷さんのコクワ・ラズベリー×秋田県の濁酒ソース


汁・雨が山の土壌を通って川に水が流れる豊さを頂く

近くの山で採集したポルチーニ茸(ヤマドリタケモドキ)×小国川の鮎の干物×湧水×丘わかめの花と葉