2023/07/19 12:01
石ころだった石を河原から拾ってきた。
形取って、蹲(つくばい)を作る。
(展示の時には釉薬を作ったが、その採集/制作も含め継続している)
蹲とは、境界にあるモノらしい。例えば、路地と茶室の境だったりするようだ。
普段なら役にも立たない石が視野に入ってくることはない。
山と非山の間にある石に水が溜まって、何かの拍子に意識する。
外側にあるモノが、急に内側に入ってきて意識させられる。その時の違和感に意味を持たせるために過去の経験から辻褄を合わせていく。
辻褄は必ず合わさり、その人になっていく。
21_21の話をもらった時に、まずしたことがお世話になっている陶芸家の先生に会いにいくことだった。当初は焼成する術がなかったのでガス窯を借りにお願いしにいった。せっかく展示するのだから、以前やった野焼きの作品に釉薬をかけようと考えていた。
そして、その作品である画像の丸石をかたどった陶器を、先生に見てもらいに伺った。
料理人のような私が、陶芸で作るものは皿しかないと思っていたのでこれは皿のつもりだった。
ただ、自分でも何を作っているのかはよくわかっていなかった。
3年ぶりに会う先生に現在の私を話すには、今興味があって作ったモノを見てもらって話す以外伝えられないので持っていった。
(15年前にお世話になった場所で、3年前に全く陶土を触っていない状態で挨拶しに伺った際に、これから陶芸するなら何を作るの?と聞かれ、料理人なのでお皿ですかねという会話ぶり)
しかし、考古学の中に石枕というモノがあるらしく、持っていったらそれだねと言われた。
そこから、蹲っぽいとも言われた。
石枕は流石に私の中にはないので、蹲に変換してもらったように思う。
自分が意識していなかったモノなので、ふらふらとその接点を反復してみたい。
山から転げ落ち河を転がって、形作られた丸石の輪郭を粘土を使って採集する。
出来上がったモノは、またそこにあることが分からないぐらいまで溶け揺らげば嬉しい。
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